報道関係者各位
プレスリリース(報道資料)
マイクロ波ワイヤレス電力伝送で、ドローン・ロボットに給電 ~ 世界最高クラスのRF-DC変換効率85.4%(5.8GHz帯、入力電力1W)を達成した技術を活用 ~
日本電業工作株式会社(本社:東京都千代田区九段南、代表取締役社長:岩本 眞、以下 DENGYO)は、ドローン・ロボットへのワイヤレス給電・充電やFA機器用センサへのワイヤレス給電を行う送電器・送電アンテナ・レクテナ(Rectifying antenna)を開発し、使いやすさ、導入しやすさを兼ね備えたパッケージ「MiRAC(ミラック)」として発表いたします。本システムには、世界最高クラスのRF-DC変換効率85.4%(5.8GHz帯、入力電力1W)を達成した技術を活かしています。
背景
近年、災害現場での調査、太陽光発電所でのパネル点検サービス、防犯監視や特撮映像撮影など様々な分野で注目が高まる「ドローン(マルチコプター)」ですが、長くても30分程度と限られた時間しか飛行させることができないため、都度操縦者の傍でバッテリー交換・充電という作業が発生しておりました。また、雨天時に充電する場合、接触式では感電やショートしてしまう恐れがあり、ワイヤレスでの充電が望まれておりました。
ワイヤレス給電システム「MiRAC(ミラック)」を利用することで、ドローンからバッテリーを外して充電する手間を省略でき、さらに不要な金属面を露出する必要がないので、安全に充電を行うことができます。
MiRAC開発までの経緯
DENGYOは京都大学などの研究機関が進めている宇宙太陽光発電向け長距離マイクロ波給電やボルボ・テクノロジージャパン株式会社をはじめとした国内主要自動車メーカーとのEV用ワイヤレス給電など、数々のマイクロ波給電の開発に携わってきました。今回、これまでDENGYOが携わったレクテナの研究・開発で培われたアンテナを薄型軽量化しつつ利得を向上させる技術や整流回路の大電力高効率変換及び小型集積化技術などの様々な智見を集めパッケージにいたしました。
宇宙太陽光発電(SSPS構想)
出典:京都大学生存圏研究所
篠原研究所
レクテナアレイ
EV用ワイヤレス給電共同実験
MiRACの特長・強み
1. 高RF-DC変換効率
レクテナでのRF-DC変換効率70%以上。
2. 軽量レクテナで電力比重量5W/g
動体している機器・装置への給電・充電において、受電アンテナが電磁誘導等で使用されるコイルと比較して軽量なので、運用性がアップ。
3. 送電器の小型化
最大750Wクラスの高出力送電器を小型化することで取扱いやすさが向上。また、小型化をするにあたり、面積あたりの送受電効率を向上させるため、小型のアンテナをアレイ化。
4. かんたん位置合わせ
マイクロ波給電の特色を活かし、送電アンテナとレクテナの位置合わせの自由度が向上。
図1 MiRACによるワイヤレス充電のイメージ
製品仕様
(注1)実際に使用するアプリケーションによって仕様が異なる場合があります。
その他想定アプリケーション
・ロボット給電、充電(Hi-Power)
・AGV給電、充電(Hi-Power)
・FA機器用センサ給電(Low-Power)
・ロータリーキルン(回転炉)等のセンサ給電(Low-Power)
今後の予定
製品リリースは2015年7月を予定しております。
また、2015年5月20日(水)より幕張メッセにて開催される「TECHNO-FRONTIER 2015」に出展いたします。
製品紹介 URL:http://www.den-gyo.com/solution/solution12.html
MiRACについて
「MiRAC」とは、Micro Wave(マイクロ波)、Rectifying Antenna(レクテナ)、Cycle(回生・循環)を組み合わせた造語であり、マイクロ波給電を分かりやすく、そして親しみやすさ、また、MiRACLE(ミラクル)に響きも近いことからマイクロ波給電が社会に奇跡を起こすという想いを込めて命名しました。
<日本電業工作(DENGYO)について>
1947年の創立以来、日本の通信事業発展に貢献し、通信インフラの実現を支える技術・製品を数多く創出してきました。アンテナ・フィルタといったコアビジネスの研究開発はもとより、中長期的な革新技術の創出にも積極的に取り組んでいます。資本金:3億3,000万円、売上高:142億円、従業員数:253名(2014年3月期)。
<本件に関するお問い合わせ先>
日本電業工作株式会社(DENGYO) 担当:マーケティング室
住所:東京都千代田区九段南4-7-15
e-mail:Marketing@den-gyo.com URL: http://www.den-gyo.com/