報道関係者各位
プレスリリース(報道資料)
長距離無線LANシステム FalconWAVE® 4.9GHzで海上伝搬20kmに成功 超小型アンテナで三浦市〜江ノ島間で伝送速度13Mbps(最大)を達成
日本電業工作株式会社(本社:東京都千代田区九段南4-7-15、代表取締役社長:瀬川純)はこの度、「長距離無線LANシステムFalconWAVE4.9G-WiFiプラス」を用いて海上20kmの伝搬試験を実施し、無線伝送最大伝送レート13Mbpsを確認しました。これにより島部のデジタルデバイドの解消や海上に設置された施設からの情報通信に適用できることを実証しました。
製品の概要
従来より、海上での無線伝搬は陸上に比べて海面反射によるフェージング現象などにより、長距離伝搬が大変困難とされていました。「長距離無線LANシステムFalconWAVE4.9G-WiFiプラス」は長距離安定通信に適したMIMO伝送機能を搭載しており、わずか17cm四方の超小型で高利得・広指向性アンテナを活用したシステムで、海上での長距離無線通信が可能となります。
図1.FalconWAVE4.9GHzによる海上長距離大容量伝送のイメージ
▪︎製品ページ URL:https://solutions.den-gyo.com/products/
試験概要
「長距離無線LANシステムFalconWAVE4.9G-WiFiプラス」を利用した、海上伝搬での無線通信の影響および無線通信の可否を確認するため、親機を三浦市諸島磯、子機を藤沢市江ノ島に仮設し、周辺の映像伝送と通信速度などの測定を実施しました。
図2.FalconWAVE4.9G-WiFiプラス
図3.実験概要
結果
海上施設間および離島間通信における「FalconWAVE4.9G-WiFiプラス」の有効性の評価、ならびにアンテナ設置高による潮位変動が及ぼす通信への影響などを確認したほか、カメラ映像伝送・データ伝送の実用性を実証しました。
図4.実験結果
製品の特長
1. 小型・高性能アンテナ
指向性アンテナは超小型(17.5cm角)、高利得(19.5dBi)です。またアンテナの放射角は水平・垂直面とも18°で、アンテナ方向のズレや、フェージングなどによる無線通信への悪影響を最小限に抑えることができます。
また、優れたアンテナ特性により、目視による確認ができない遠距離・悪天候の環境下でも送信・受信側の大まかな方向がわかればアンテナを合せて無線通信を確保することが可能です。
図5.小型で高利得な指向性アンテナ
2. 高性能MIMO通信
無線通信の安定性を向上させるMIMO伝送方式を採用しています。1台の無線機が常に2つの通信ルートを持っているためどちらか一方の通信ルートがノイズ、干渉等の妨害を受けたとしても、もう一方の通信ルートを使い通信が継続できます。この機能の働きにより、厳しいフェージング下でも高品質な受信信号を確保することができます。
3. 広域WiFiエリアを構築
「FalconWAVE4.9G-WiFiプラス」は離れた2拠点間での基幹伝送のほか、同一筐体にWiFiエリア化機能を搭載しているので、2拠点のそれぞれを広域WiFiスポットとしての利用が可能となります。
適用領域
■ 離島間通信
・離島間の連絡用回線および非常用バックアップ伝送路
・通信キャリアによるWiFiサービスが未整備な地域での広域WiFiエリアの構築
・放送局伝送路
■ 海上施設との通信
・海上に設置される風力発電設備や石油備蓄基地やコンビナート等との自営無線通信
・海上に設置される施設内でのWiFiエリア化によるIP通信やセンサデータの収集・伝送