報道関係者各位
プレスリリース(報道資料)

2016.05.16
ニュースリリース

従来比15倍(実測値)、長距離920MHzワイヤレス環境観測システムを開発! 広域でも無線機数を削減、伝送遅延の少ない自営環境センサネットワークの構築が容易に。

日本電業工作株式会社(本社:東京都千代田区九段南4-7-15、代表取締役社長:瀬川純)はこの度、見通し最大約30km、見通し外最大約2km(フィールド実験値)の長距離伝送、かつ、免許不要で使える920MHz特定小電力無線機「Echoes LINKTM」によるワイヤレス環境観測システムを開発し、防災無線システムへの環境センサーネットワーク適用を想定した実証試験を実施しました。長距離伝送により、従来の自然環境監視における無線機数を削減します。

防災無線システム概要図

防災無線システム概要図

開発背景

近年、地震や台風、集中豪雨などの自然災害が多発しており、地域や住民の安心・安全を守るために必要な情報を収集し、地域全体に的確に伝達することが求められています。このような広域ネットワークの構築にあたり、工事費用や工期を低減できる無線化を検討する場合、長距離性を求めるとセッティングがシビアになり少しのずれでも通信が途絶えやすくなったり、一方でセッティングに幅をもたせると距離がのびず、複数中継することになりその分伝送遅延が起こったり、装置が各所に点在するため設置場所を確保する必要がありました。特に、河川上流域など山間における気象観測では、見通しの確保が難しいため電波の回析性に優れた周波数帯が使用されますが、麓や山頂など開けた場所までネットワークを構成するのには多数の中継点が必要でした。

DENGYOは、電波の回析性に優れ、降雨等の影響も受けにくく、免許不要で運用可能な920MHz帯対応の長距離性、消費電力性に優れた無線機を開発、中継数や電源周りの装置を削減、ミニマムな構成の環境監視センサネットワークをご提供します。

実験概要

山間地点(土石流危険箇所を想定)の水位データを「Echoes LINKTM」子機(送信機)により見通しがきかない上方の弓立山頂に設置した「Echoes LINKTM」親機(受信機)まで起伏や林を回析し伝送、親機上部に取付けたカメラの映像とともに、「FalconWAVE®」により約10km離れた事務所(防災拠点を想定)まで伝送し水位データ、カメラ映像がライブで閲覧できること、また、事務所からの遠隔操作で、カメラ画角の操作、警報機器の起動ができることを確認しました。

見通しがとれない山間の起伏を回析し伝送

見通しがとれない山間の起伏を回析し伝送

特長

1. 長距離伝送

920MHz長距離無線センサネットワーク「Echoes LINKTM」は、当社独自開発の無指向性8dBiアンテナ、小型平面指向性10dBiアンテナにより、見通し約30km(通信速度813bps)、山間等の見通し外約2km(通信速度244bps)という業界No.1※1の長距離伝送を実現。山間であっても中継数を減らし、伝送遅延の少ない高信頼の自営ネットワークをミニマムに構築できます。また、上図のように受信機から事務所(防災拠点)までの基幹伝送に4.9GHz帯長距離無線LAN「FalconWAVE®」を使うことでカメラの映像伝送や遠隔操作、アナウンス放送など高速大容量通信と共用することが可能です。

※1 当社調べ

ユーザーメリット

1.優れた長距離無線により、中継数を削減、伝送遅延も少なく、機器設置数も削減した環境センサネットワークを構築できます。

2.既存インフラに頼らない自前の回線で構築できるため、通信料無料で維持費を抑え、また、いざ災害時の混信による通信障害リスクも軽減できます。

3.河川上流部など、従来は監視できていなかった箇所、又は有線敷設を伴う高価な計測器や、人による巡回監視で大変な手間をかけて監視していた箇所であっても、電源・通信工事不要で簡単に水位、雨量等の情報を収集、上流域の危険を直ちに知ることで、地域の防災強化に活用できます。

  1. 4.920MHz長距離無線センサネットワーク「Echoes LINKTM」と、長距離無線LAN「FalconWAVE®」を連携することで、例えば、海上を隔てた数十kmにおよぶ広域防災ネットワークや、Wi-Fi アクセスポイントの構築など無線に関する事をワンストップで提供できます。

今後の予定

5月~6月開催の当社製品発表会「ワイヤレスで安心・安全・おもてなし 観光・防災Wi-Fiセミナー」(5月18日・東京、6月3日・大阪、8日・博多、15日・仙台、24日・東京,参加費無料,事前申込制)、5月25日から27日開催のワイヤレスジャパン2016・東京ビッグサイトにて製品展示致します。

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