報道関係者各位
プレスリリース(報道資料)

2018.06.04
ニュースリリース

九州電力日向幹線建設現場のIoT化にFalonWAVE®が貢献 ~各現場で広域無線通信網を構築~

日本電業工作株式会社(本社:東京都千代田区神保町1-14-1、代表取締役社長:瀬川 純)は、この度、長距離無線LANシステム「FalconWAVE®」を用いて、九州電力日向幹線の建設現場のIoT化をサポート、建設作業の効率化、安全性アップに貢献しています。

背景

送電線架線工事では、鉄塔間に電線を渡す延線作業が最も重要な作業であり、電線を送り出すドラム場と電線を巻き取るエンジン場、間に点在する送電鉄塔での電線の張り具合など、相互に連絡を取り合いながら作業を進める必要があります。携帯電話の電波が入らない山間部では、これまでは地上に有線を敷設して電話回線を構築していましたが、敷設後も電線が断線するような障害が発生し、その都度、急峻な山間部で断線箇所を見つけ出し修復するような作業が行われており、作業の効率性と安全性に課題を抱えていました。

鉄塔上取付写真

鉄塔上取付写真

課題と特長

携帯電話の電波が入らない山間部では、急峻な地形や流れの速い沢などにより、有線回線や電源設備などを敷設することは大変困難であり、また敷設した後も鳥獣や落雷などの自然現象などにより電線の断線や電源の故障が発生し、その断線箇所を点検・調査し特定したのちに修復するというような作業が繰り返し行われていました。また電話回線がなければ連絡が取れないため、鉄塔間に電線を張ることができず、断線期間中は作業をストップせざるを得ない状況でした。

また、作業員との定期的な業務連絡は、作業現場までの移動の道のりで、携帯電話エリアを見つけ出しておき、そのエリアまで行き連絡を取り合ったり、当日の進捗確認は、作業が終了したのち山間部から下山した現場作業員としか連絡が取れなかったため、現在工事現場などでも多く利用されるようになってきたICTやIoT化とは無縁の状況に置かれていました。

弊社が提供している長距離無線LANシステム「FalconWAVE 4.9G-MP」は、2点間最大30Kmもの無線伝送と広域Wi-Fiエリア化を同時に実現することができるため、工事事務所と作業現場を直接無線でつなぐことも、携帯電話のサービスエリアまで無線通信し、携帯電話会社の回線を利用して外部との通信回線を構築することも可能になります。

加えて、上記の長距離無線LAN回線で監視カメラ映像を伝送することで、リアルタイムの映像を遠隔地から確認することできます。またソーラーパネルとバッテリーの組み合わせにより電源を確保することも可能で、通信線・電源線の敷設のための作業、断線後の点検作業などの負荷を大きく軽減させることができ、工事のスマート化に貢献します。

システムの特長として以下の3点があります。

1. 広域 Wi-Fi エリア化(FalconWAVE 4.9G-MP)

 

Wi-Fi エリア内での利用端末を追尾するビームフォーミング機能を搭載、広域Wi-Fiエリア内での音声通信を実現することが可能です。また高利得平面アンテナで、最長30Km離れた2拠点間通信も可能です。

2. エリア拡張にすぐれる簡単システム(おくだけ Wi-Fi)

 

木陰などにより弱電界となってしまう不感地エリアに、設置することによりWi-Fiエリアをさらに広げることができるリピーター装置を組み合わせることも可能になります。

3. オプションシステム

 

リアルタイムの作業現場のカメラ映像をインターネット回線経由で確認することや、専用ゲートウェイを設置することにより一般電話通信網を利用して日本全国の IP 電話との通信も可能になります。

構成イメージ図

構成イメージ図

今後の展開

九州電力管内の建設現場で高い評価をいただき導入が進んでいます。また、他の電力管内の建設現場からも引き合いをいただいております。全国の建設工事現場への展開に向け、さらにソリューションに磨きをかけていきたいと考えています。